包装食品のための金属検出機
はじめに


<アンリツ産機システム㈱KD8200AWの規格> | ||
形名 | KD8200AW | |
通過高さ | 30mm、40mm、50mm、60mm | |
最大通過幅 | 230mm | |
検出感度※ | Fe球 | φ0.6mm |
SUS304針金 | φ0.55mm×2mm | |
ベルト幅 | 230 mm | |
表示方式 | STN液晶 | |
操作方法 | フラットパネルキー | |
品種数 | 最大100品種 | |
被検査品包装形態 | アルミ箔包装品、アルミ蒸着包装品、一般包装品 | |
ベルト速度 | 10~90m/min(品種ごとに速度可変) | |
搬送能力 | 4Kg | |
金属検出時の処理方法 | 選別またはベルト停止および警報 | |
電源・消費電力 | AC100~120V+10%-15%またはAC200~240V+10%-15%、単相、50/60Hz、200VA、突入電流70A(typ)(20ms以下) | |
質量 | 130Kg | |
使用環境 | 0~ 40℃、相対湿度30~85%、ただし結露しないこと | |
保護等級 | IP66準拠 | |
外装 | ステンレススチール(SUS304鏡面仕上げ) |
※実際に使用する場合の感度は、異物の種類、被検査品の物性(内 容物・形状など)や使用環境により異なる。 <KD8200AWの検出原理> 着磁部によって製品内の金属異物を着磁、検出ヘッドにより金属異物の着磁量を測定(磁気反射技術)し、鉄やステンレス注)など磁化されやすい金属異物の混入を判定する。着磁されにくいアルミ包材や製品自体の影響を受けないため、安定した金属異物の検出が可能となる。
<KD8200AWの特長> ●アルミ包材内の金属異物を検出 ・鉄やステンレス注)など金属異物を着磁・検出するので、アルミ包材内に混入した金属異物を高感度に検出できる。 ・アルミ包材同様に水分、塩分の影響を受けにくいので、製品の温度変化や塩分濃度に左右されない安定した金属異物の検出ができる。 ●金属異物の形状や向きによらない高感度検出 ・検出ヘッドを最適化することにより、従来は針金など方向によって感度が変化する異物でも、高感度で検出できる。 ●ステンレスの高感度検出を実現 ・当社独自の磁気反射技術により、従来検出が困難とされていたステンレス注)が高感度に検出できる。 ●主な対象製品 ・アルミ包材製品-チョコレート、ガム、レトルトパウチ、ふりかけ、袋入りスープ、鍋焼きうどん、ケーキ、プリン、ヨーグルトなど ・高塩分製品-味噌、漬物など 注)鉄、SUS430などの磁性金属と切削、曲げなど加工(応力)を受けたSUS304、 SUS316などのステンレスの検出が可能である。 金属製異物の混入経路と選別機 金属性異物は原料段階での混入、製造時に機械の部品や剥離片などの混入、工場内の工事で発生した金属片の混入、作業員の不注意からの混入などの可能性がある。具体的にはネジ、ボルト、クリップ、ホッチキスの針、カッターの刃、針金、銅線、金属性メッシュ網の破片、ワイヤーブラシ片、 ヘアーピン、指輪等のアクセサリー類などが考えられる。これらの混入は金属検出機で検査できるが、まずは混入しないように対策を講じることが第一である。 金属混入品を検出しても、その商品の除去に失敗すれば不良品が流出することになる。選別機には次の3つの方式が一般的である。 ・エアージェット方式 混入品をエアーで吹き飛ばす方式で、軽い商品に適している ・ドロップアウト方式 混入品をベルトから下に落下させる方式で、エアーで吹き飛ばせないような商品に適している ・フリッパ方式
アームで流れ方向を変更する方式で、比較的重くて、衝撃を加えられない商品用
<金属検出機とX線異物検出機との比較> | ||
X線異物検出機 | 金属検出機 | |
装置の大きさ | 金属検出機と比較すると大きい |
小型から大型まであるが、X線異物検出機と比較するとシンプルである |
安全性 |
検出にX線を使用しているのでオペレータが被爆する危険性はゼロではない | 危険なものは何もなく安全である 使用実績も長い |
検出感度 |
Fe,SUS:0.3mmØ 針金類:0.28×2mm |
Fe:0.6~2.0mmØ 針金類:0.28×2mm |
包材の影響 | 包材の厚みの違いで感度が変化することもある | 包材の厚みによって感度が変化することは少ない |
アルミ包材 | アルミ蒸着でもアルミ箔構成でもほとんど問題なく検査できる | アルミ蒸着は一般の機械で兼用できるが、アルミ箔用は検出方式が違うので別機になる |
検出異物の種類 | 金属、石、骨、ガラス、硬い樹脂片の検出が可能 | 金属片のみ SUS、真ちゅう等の合金類は感度が落ちる |
針金の混入方向の影響 | 影響を受けにくい | 最新機は影響を受けにくいものもある |
内容品の水分・塩分の影響 | 影響を受けない | 影響を受けやすい(最近では影響を受けにくものもある) |
ランニングコスト | 高価な部品交換を定期的に行う必要がある | 高価な部品交換がないので、ランニングコストはほとんどかからない |
本体価格 | 520万円~800万円 | 安価なものは90万円くらいからある。アルミ箔用は200~300万円 |
主な金属検出機メーカーのホームページと連絡先 ○アンリツインフィビス株式会社 https://www.anritsu.com/ja-JP/infivis 〒243-8555 神奈川県厚木市恩名5-1-1 TEL 046-223-1111 ○株式会社 イシダ http://www.ishida.co.jp/ 〒606-8392 京都市左京区聖護院山王町44番地 TEL 075-771-4141 ○株式会社 システムスクエア http://www.system-square.co.jp/ 〒940-2127 新潟県長岡市新産3-5-2 TEL 0258-47-1377 ○ニッカ電測株式会社 http://www.nikka-densok.co.jp/index.htm 〒350-1155 埼玉県川越市下赤坂710 TEL 049-266-7311 ○大和製衡株式会社 http://www.yamato-scale.co.jp/ 〒673-8688 兵庫県明石市茶園場町5番22号 TEL 078-918-5588 ○日新電子工業株式会社 http://www.nissin-elc.co.jp/ 〒136-0071 東京都江東区亀戸1丁目29番13号 TEL 03-3683-5171 (参考文献) 各金属検出機メーカーのカタログおよびホームページ